一級土木技術検定実地試験に向けての対策ブログ

各分野の小論文回答例【H29、安全管理で合格】

 出来高管理、工程管理、安全管理、施工計画、品質管理の5分野の回答例を記載しますので、基礎系地盤系の方の参考となればと思い、公開いたします。

 下記の内容は僕の工種である既製杭について書いており、実際の試験時に書こうとしていたものです。結局、当時はあまり自信のなかった安全管理が出題されたものの合格しています。そのため全分野で合格を狙える内容になっていると思っています。

 試験前は基本的には全文の暗記を狙い、最悪キーワードを思い出せれば試験時にある程度論文を再現できるように準備を進めました。そのため本文に加え、キーワードも併記しています。

 

 

 

 

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 ①出来高管理

(1)具体的な現場状況と特に留意した技術的課題

・工事概要(3行)

 本工事は○○○○市に新設される廃棄物処理施設で、Φ800及びΦ700の杭を合計313本打設する既製杭工事(中掘工法)である。

 

・具体的な現場状況課題の背景(4行)

 杭の先端は根固め球根を築造するが、支持力はその場で確認することはできない。代用特性として杭先端が支持層への所定長さの根入れを確認することとし、支持力の確保を課題とした。

 

(2)技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容

・検討の前文(2行)

 中掘工法における根固め球根の支持力の確保のため、以下の検討を行った。

 

・検討項目と検討内容(9行)

 所定のボーリングの頻度を満足しているが、現場周辺に河川があることや地形形状から地層の変化が予想される。
 そのため、支持層深度の分布を確認する必要があった。そのため、現場最遠地四隅において試掘を行い、支持層深度と支持層付近の試料のサンプリングを実施し、ボーリングデータとの相違について確認することとした。

 

(3)技術的課題に対して現場で実施した対応処置

・現場での具体的な対応内容(6行)

 検討の結果、次の対応処置を実施した。試掘の結果を既存のボーリングデータを元に、杭配置図に支持層の変化を追記し、掘削時の支持層到達の判断基準の目安を作成した。
 また、施工時はスパイラルオーガに取付けた電流計の数値の変化によって相対評価し、支持層への根入れを確保した。

 

キーワード

・支持力はその場で確認できない
・所定長さの根入れを確認
・河川がある地形形状より地層変化が予想される
・支持層深度の分布の確認
・現場最遠地四隅において試掘
・支持層付近の試料のサンプリング
・ボーリングデータとの相違
・杭配置図に支持層の変化を追記
・電流計の数値の変化により支持層判断

 

 

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②工程管理

(1)具体的な現場状況と特に留意した技術的課題

・工事概要(3行)

 本工事は○○○○市の新設される廃棄物処理施設で、Φ800及びΦ700の杭を合計313本打設する既製杭工事(プレボーリング杭工法)である。

 

・具体的な現場状況課題の背景(4行)

 次工程に用いる大型機械の搬入日があらかじめ決まっているため工程遵守が課題となった。

 

(2)技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容

・検討の前文(2行)

 プレボーリング杭工法における工程遵守を目的として、以下の検討を行った。

 

・検討項目と検討内容(9行)

 杭の打設本数、杭の継手箇所が多い工事のため、継手を溶接継手から機械式継手であるトリプル・プレートジョイント(以下TPJと称す)を用いることを検討した。杭径によって作業の短縮時間は異なるが、TPJを用いることで一箇所あたり40分~50の短縮を見込むことができる。また、溶接継手と異なり風雨・気温等の気象的制限も少なく、この点でも工程短縮を見込むことができる。

 

(3)技術的課題に対して現場で実施した対応処置

・現場での具体的な対応内容(6行)

 検討の結果、次の対応処置を実施した。継手をTPJとして施工を行った。夏場特有の夕立が多かったがTPJを用いたために工事の中断なく施工を行うことができた。その結果、課題である工程遵守を達成した。

 

キーワード

・大型機械の搬入日があらかじめ決まっている
・打設本数・継手箇所が多い
・TPJで40~50分の作業短縮
・風雨・気温等の気象的制限が少ない
・夏場特有の夕立

 

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③安全管理

(1)具体的な現場状況と特に留意した技術的課題

・工事概要(3行)

 本工事は○○○○市の新設される廃棄物処理施設で、Φ800及びΦ700の杭を合計313本打設する既製杭工事(プレボーリング杭工法)である。

 

・具体的な現場状況課題の背景(4行)

 現場の表層部の砂質土はN値1~2程度が続き、実際に現場踏査した結果、杭打ち機の最大接地圧に対して地盤反力が不足しており、安全管理が課題となった。

 

(2)技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容

・検討の前文(2行)

 プレボーリング杭工法における安全管理を目的として、以下の検討を行った。

 

・検討項目と検討内容(9行)

 地盤の安定化を目的としてセメント系改良材(太平洋セメント社製、ジオセット200)を用いることを検討した。現場全域において砂質土であったため石灰系ではなく、相性の良いセメント系の改良材を選択した。使用量は砂質土におけるカタログ値(50kg/m3)を参照し、試験施工を行い、現場踏査と杭打ち機のオペレータにヒアリングを行い、安全管理を徹底した。

 

(3)技術的課題に対して現場で実施した対応処置

・現場での具体的な対応内容(6行)
 検討の結果、次の対応処置を実施した。
 セメント系改良材により地盤改良を行い、安全管理を実施した。セメント系改良材は目分量による使用を避け、25kgに梱包された袋材を用いて安全確保を徹底した。その結果、安全に施工することができた。

 

キーワード

・現場踏査
・杭打ち機の最大接地圧に対し地盤反力が不足
・砂質土はセメント系改良材
太平洋セメント、ジオセット200
・杭打ち機オペレータにヒアリング
・目分量での使用禁止
・25kgの袋材を使用

 

 

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④施工計画

(1)具体的な現場状況と特に留意した技術的課題

・工事概要(3行)

 本工事は○○○○市の新設される廃棄物処理施設で、Φ800及びΦ700の杭を合計313本打設する既製杭工事(プレボーリング杭工法)である。

 

・具体的な現場状況課題の背景(4行)

 既存のボーリングデータでは表層部に薄い礫層が分布していることが確認された。この層を中掘り掘削する際に杭体を損傷しない施工の採用を課題とした。

 

(2)技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容

・検討の前文(2行)

 中堀杭工法における安全に施工を行うことを目的として、以下の検討を行った。

 

・検討項目と検討内容(9行)

 表層部は層厚1m、礫径85mmの礫層が分布しており、中堀工法で杭体を損傷しない地盤条件:土塊径が杭内径の1/5以下=100mm以下に肉薄していることが分かった。ばらつきを考慮するとスパイラルオーガでの掘削が困難であることが予想される。表層の礫層は層厚が薄いことから中堀り施工前に先行して排除する施工を検討した。

 


(3)技術的課題に対して現場で実施した対応処置

・現場での具体的な対応内容(6行)

 検討の結果、次の対応処置を実施した。
 杭径700mm用のスパイラルオーガにより礫層を掘削し、排除を行った。礫層の排除確認として、オーガ先端に次層である砂が付着していることを確認し、以後は中堀杭工法を実施した。先行掘削することで杭の損傷を生じずに施工できた。

 

キーワード

・杭体を損傷しない施工
・礫径85mm
・杭内径の1/5以下
・スパイラルオーガで先行掘削
・ばらつきでNG
・オーガ先端の土質確認

 

 

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⑤品質管理

(1)具体的な現場状況と特に留意した技術的課題

・工事概要(3行)

 本工事は○○○○市の新設される廃棄物処理施設で、Φ800及びΦ700の杭を合計313本打設する既製杭工事(プレボーリング杭工法)である。

 

・具体的な現場状況課題の背景(4行)

 事現場周辺に存在する河川に起因する地下水流による杭周固定液の逸液のおそれがある。そのため杭周固定液の品質管理が課題となった。

 

(2)技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容

・検討の前文(2行)

 プレボーリング杭工法おける品質管理を目的として、以下の検討を行った。

 

・検討項目と検討内容(9行)

 事前調査の結果、地下水流は0.8m/minを超える1.1m/minであり、逸液防止剤(ビスコトップ、花王社製)を文献に基づき水の質量に対し1.5%添加して現場にて試掘を実施することとした。
 逸液防止剤を添加することによるセメントペースト(フレッシュ・硬化)への影響については事前の室内試験において問題ないことを確認した。

 

 

(3)技術的課題に対して現場で実施した対応処置

・現場での具体的な対応内容(6行)

 検討の結果、次の対応処置を実施した。
 逸液防止剤により杭周固定液の逸液防止対策を実施した。逸液量は7%に抑制され、杭周固定液を10%増量して打設を行った。その結果、杭周固定液の品質を確保することができた。

 

 

キーワード

・河川に起因する地下水流による逸液
・地下水流0.8m/minを超える
・逸液防止剤の添加量は水量に対して1.5%

 

最後に一言

 僕が受験したときも「結局参考になる小論文がない…」と嘆き、苦しみ、模索しました。だからこそ、どこかの誰かの役に立つことを願って公開しています。

 自分の経験や周りの人のアドバイス、書籍からの引用という頼れるものは全て頼った叡智の集結ですので、参考にしていただければ幸いです!

 あなたの合格を画面の奥から望んでいます!!